【再考】4/2三陸沖M6と311震災の発震データ類似性について

◆4/2三陸沖M6の余震データのうち、最初の2日間を観察した当初は、表題のとおり、
 311震災との発震データ類似性から、最大リスクとして、数日内にM8発生の可能性
 を危惧しました。

◆しかしながら、一昨日4/5までのデータ(N=118)で比較すると、それは最初の2日間のみで、
 ご覧のとおり、三陸M6の余震データ推移は、311震災時との類似性が薄れて来ております。
震度の予測444h
◆さて、改めて 4/1-4/5までの発震状況と、プロットです。
 ご覧の様に、現在までに収束するような動きが見られますが、この後の動向には細心の注意が
 必要な事に変わりはありません。
 また、余震域を断層面積として考えた、宇津則からの本震の想定規模はM8超で変化はありません。
震度の予測444aa3
◆そして、GR則プロットと時系列で表したM8の累積発生確率曲線です。
 ご覧のように、発生確率50%は4/24(水)、90%超が4/27(土)となり、
 (その2)と比較して、更に逼迫度は下がりました。

震度の予測444bb3
それでも、危機が完全に去った訳ではありません。
 既にご紹介した様に、国内でのM8級発生は、平均4.4年に1回の頻度です。
 したがって、今回のGR則の結果、M8が約25日以内に発生する頻度とは、
 上記に照らすと、平均の約65倍の発生確率
に成ります。
 これは、現在の三陸沖の発震状況が「依然として異常値」にある事を意味するのです。
◆機会ある毎に申しておりますが、私は「常に最大リスクを考慮した予測」をご紹介しております。
 それは、予測を外すリスクよりも、災害級の震災を見逃すリスクの方が遥かに甚大との考えからです。
今はただ、皆さまに最大限の備えをお願いし(食料等の備蓄、緊急時の連絡方法や集合場所の確認など)
私は、この想定が外れる事を祈り続けます。

余震はいつまで続くのか?その454(磁気嵐スパイラル35) [4/7 20:50更新]

◆現在までの深発は実に8回 (トカラ・伊豆大島M4、十勝×3、釧路、群馬南部ほか) から、
 既にtwitterでお知らせの通り、本日は、信頼度90%でM5超発震はありません。
 東日本域 4/8(月)「要警戒」
 北海道東方沖 4/8(月)~10(水)「要警戒」4/11(木)「要注意」
◆最新の深発連動グラフは、ページ上にある、
 最近の記事◆現在の深発地震連動の後発地震想定からご確認ください。

◆予測表です。
(注)上下2段で一日分の予測時刻を表していますので、上下で順不同の場合があります
 予測表の見方はこちら→「予測表の見方と意味合いについて
 (A~Dグループ:過去のCMT解析すべり角と潮汐ベクトル角との相関が強い震源域を示す)
A 浦河沖、宮城沖、福島沖、千葉東方沖、駿河湾、広島北部、奄美大島
B 三陸沖、福島沖、茨城沖、千葉東方沖、奄美大島
C 秋田内陸、宮城沖、福島内陸、福島沖、茨城北部、和歌山北部
D 三陸沖、岩手沖、宮城沖、福島沖、茨城北部、茨城内陸、茨城沖、千葉東方沖
磁気嵐解析1013a
凡例:背景色の意味(磁気嵐ロジックグラフと色合いを合わせました)
磁気嵐ロジック確率についての解説。
 元々は磁気嵐によるM6超クラスの発生確率(遅延特性を含む)をUSGSデータ39年分から調査
 したもので、実績との比較から地震規模との相関関係(M5-~M7++)があり表記に採用したものです。
 
赤字は「魔のくぼみ」、青字は「急変点」で要注意時間帯を表わします。
月齢相関に基づく記号の解説
 これは、311震災後の月齢とM5以上(N=5885)の地震発生確率の相関を取ったもので、以下に分類。
 ★ 特異日(確率3倍超)
 ☆ 注意日(確率2倍超)
 ◇予備日(平均確率)
 △平均以下の日

※予測誤差は±60分で、全有感地震の約70%以上が符合しております。
参考その1
 M6発震と前震との関係を過去1年半分析した結果
から、次の震源候補は下段の表
 №9?12 福島はるか沖、京都、根室沖(トカラM4.6は若干小のため後発可能性あり)
 現在の対応発震率50% (№10は本日M5超無しに付き除外)
 (注) 一応の目安としてご覧下さい。
震度の予測444L
参考その2
 過去3年間で日本接近の台風31個について、通過3日以内のM5または震度4以上の
 発震状況を調査。

 対応発震率63%(2011/3/12は除外)
 更に27%は2回以上発震。これは至近平均約2倍の発生確率。
 最大は、2011/7/21台風7号が去った2日後の7/23宮城沖M6.3最大震度5強
 やはり、嵐の後数日は要注意です!
震度の予測445
毎度で恐縮です、繰り返しになりますが、
地震は時間を選びません。皆さまには、特に就寝環境(※)の再確認を推奨しております。
(※近くに落下物や崩れる物が無いないか、照明類や履物を手の届く範囲に置くなど)
また、いつ大きな揺れに遭っても慌てないよう、その場に応じたイメージトレーニングも推奨致します。

では、また何か変化があれば、お知らせ致します。バイバイ

海水温変化による震源域想定の検証と次の震源域について(その69)

このシリーズも 第69回目を迎えました。
(一昨年末から毎週末、1年5ヶ月半続いており、M4以上で1週間検証し 平均対応率は8割程です)
【お知らせ】
毎週日曜日のご紹介ですが、先週は年度末で忙殺され、一週間お休みさせて戴きました。
読者の皆さまには、申し訳ありませんでした m(_ _)m

解説:[海水温度分布の平年差]の2週間の変化について、画像処理ソフトで差分を取り、
    次の震源域を想定します。(14日間の至近3日平均からその前11日平均を差し引く演算です)
    これまでの実績からは、温度変化の境界付近で温度低下側に震源が符合しております。
    また、実績から、温度変化の大きな海域も想定域としております。
  ★この演算には、以下の理由から海上保安庁のデータを使用しております。
   ・図中に数字や境界線が入らないので、演算の邪魔にならないこと。
   ・瀬戸内海も表示できるので、より綿密な解析が出来ること。
   ・当日分まで反映されていること。 等々

以下は、先々週3/24にご紹介した震源域想定に、その後2週間の実績をプロットしたものです。
水温20130324WA
この間 M4超の地震は39回、内35回が想定範囲内でした。対応率90%(優秀です)
外れた4回は、何れも温度変化の無かった海域でした。
そして、次の震源域の想定は、以下の通りです。
先々週と比較して、東シナ海と日本海の強震度想定域が拡大しております。
水温20130407W
◆今週の強震度想定域は、
 30週目となった三陸沖アウターライズは定位置に戻りました。

 (ここは数カ月の前兆の後、昨年12/7にM7超が発生。次はM8超が危惧されます)
 5週目の淡路~紀伊は縮小、九州南部はトカラ列島側に移動。
  また、岩手沿岸は、再び沿岸に移動し、福島沖まで拡大。

 今週新たに釧路沖・日本海域・新潟北部・南西諸島に強震度想定域が出現。
 北海道内陸・北九州の強震度想定域は消滅しております。
解説:強震度想定域とは、
   海水温が急激に上昇した範囲で、過去の実績からM5超発震の可能性がある事を意味します。
   (黄M4、紫M5超を示唆)

では、また何か変化があれば、お知らせ致します。バイバイ

【警戒継続 その2】三陸・宮城沖に何かがある

◆4/2の三陸沖M6発生から、様々なデータを解析してきましたが、
 どうやら、三陸・宮城沖に何かがあると推察するに至りました。
先ずは、ロシア・カアデミー地震予測サイトから
 4/4?4/6の48h予測に珍しいM6~7の紫丸が三陸沖に出現(円の大きさは予測誤差±50kmの意)
 私の予測最短は明日M8の可能性もゼロでは無いが…
USGS263a.jpg
こちらは、先週日曜にご紹介出来なかった海水温解析の元データ
 同じ海域にシッカリと異常値(急激な温度上昇=強震度想定域)が現れております。
水温20130331W
そして、先出のM6発震と前震との関係表を過去1年半(20ケース)分析
 (色別は前震との遅延特性を分けたもの、赤字はM7超の意)
 下段の表が今後の震源候補、№5~8宮城県沖、三陸沖、トカラ近海、福島県沖。
 宮城・三陸沖は4/5~4/6と出た
 (確率は今のところ、五分五分) 
震度の予測444f
今はただ、皆さまに最大限の備えをお願いし(食料等の備蓄、緊急時の連絡方法や集合場所の確認など)
私は、この想定が外れる事を祈り続けます。

【警戒継続】三陸沖M6の余震データにGR則を適用した今後の想定(その2)

◆これは、昨日 4/2 3:53 三陸沖M6.2震度3★ の余震データにGR則(グーテンベルグ・リヒター則)
 を適用して得られた計算結果から、今後起こり得る最大リスク】をご提示するものです。
 したがいまして、必ず起こる性質のものでは無く、起こる可能性のある事象を示唆するものであり、
 ご覧の皆さまには、危機管理情報】として、ご覧戴きたいと思います。
★一元化データでは、M6.1→M6.2に上方修正されたようです。
※ようやく4/2の気象庁一元化データが出たので、4/1~4/3のM2+データN=77での再計算です。

◆まずは、現在までの発震状況と、プロットです。
 ご覧の様に、現在までにやや収束するような動きが見られますが、この後の動向には細心の注意が
 必要と考えます。(理由は後述にて解説します)
 また、余震域を断層面積として考えた、宇津則からの本震の想定規模はM8超で変化はありません。
震度の予測444aa2
◆そして、GR則プロットと時系列で表したM8の累積発生確率曲線です。
 ご覧のように、発生確率50%は4/14(日)深夜、90%超が4/18(木)午後となり、
 (その1)と比較すれば、随分と逼迫度は下がりました。

震度の予測444bb2
◆機会ある毎に申しておりますが、私は「常に最大リスクを考慮した予測」をご紹介しております。
 それは、予測を外すリスクよりも、災害級の震災を見逃すリスクの方が遥かに甚大との考えからです。
◆全世界でのM8クラスの発生頻度を、2000年を境界として考えた場合、
 1973年~2000年の27年間は16回で0.59回/年であり、
 2001年~2013年の12.3年間は14回で1.14回/年と、至近は約2倍の頻度。
 
 また更に、全世界のM5超発震の約20%は日本国内でコンスタントに発生しております。
 至近ならば、M8クラスは1.14回/年×20%=0.228回/年→4.4年に1回の頻度。
◆然るに、今回のGR則で算出された、
 M8が約20日以内に発生する頻度とは、上記に照らすと、平均の約80倍の発生確率と言えます。
 これは、現在の三陸沖の発震状況が「正に異常値」だとも言えるのです。
◆更に、現在の三陸沖の発震状況と、311震災前の発震状況が非常に酷似している点をご紹介します。
 ご覧の様に、規模が約M1小さい以外は、実に良く一致した動きなのがお判り戴けましたか?
震度の予測444cc2
◆311震災前日までのデータからGR則では10日以内にM9発生を示唆しておりましたが、
 実際は、その翌日にM9が発生しました。
 これはGR則による想定期間の1/10でも発震する可能性がある事を意味します。
 そして、今回のGR則による想定期間は20日以内にM8発生を示唆しておりますが、
 上記を踏まえると、2日後の4/5(金)にM8発生の可能性もゼロでは無い事に成ります。
◆再掲します。
 以下は、想定震源域でM8が発生した場合の予想される震度と津波高です。
 津波高の計算は[東京大学リンク内の津波高の予測]を利用しています。
震度の予測444d
今はただ、皆さまに最大限の備えをお願いし(食料等の備蓄、緊急時の連絡方法や集合場所の確認など)
私は、この想定が外れる事を祈り続けます。

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