海水温変化による震源域想定の検証と次の震源域について(その80)

このシリーズも 第80回目を迎えました。
(シリーズ化からは約1年半続いており、M4以上で1週間検証し 平均対応率は8割程です)
◆実は過去記事を検索すると、2011/8/17「新発見か?「海面水温」平年差の分布と震源地の関係
 の中で、既に海水温の2週間差分に着目しており、この解析は、もうすぐ2年近くに成ります。
解説:[海水温度分布の平年差]の2週間の変化について、画像処理ソフトで差分を取り、
    次の震源域を想定します。(14日間の至近3日平均からその前11日平均を差し引く演算です)
    これまでの実績からは、温度変化の境界付近で温度低下側に震源が符合しております。
    また、実績から、温度変化の大きな海域も想定域としております。
  ★この演算には、以下の理由から海上保安庁のデータを使用しております。
   ・図中に数字や境界線が入らないので、演算の邪魔にならないこと。
   ・瀬戸内海も表示できるので、より綿密な解析が出来ること。
   ・当日分まで反映されていること。 等々

以下は、先週6/23にご紹介した震源域想定に、その後1週間の実績をプロットしたものです。
水温20130623WA
この間 M4超の地震は8回、うち6回が想定範囲内でした。対応率75%
外れた2回は、想定域より更に低温側での発震でした。
そして、次の震源域の想定は、以下の通りです。
◆傾向としては、太平洋の広範囲で海水温が再び急降下
 実に変化の激しい状態が続いております。
 これは解析を始めてから1年半の中でも特筆すべき事態です(異常な動き)
 やはり「巨大地震の前兆を捉えている可能性」も否定できません。
 更に注意深く観察を続けたいと思います。

今週から、想定範囲を南西諸島まで拡大しました。
 西は西表島、南は南硫黄島まで想定できるようになりました。
水温20130630W
◆今週の強震度想定域は、
 42週目となったアウターライズは、宮城沖まで南下し大幅縮小。

 (ここは数カ月の前兆の後、昨年12/7にM7超が発生。次はM8超が危惧されます)
 17週目の東日本沿岸は、宮城・福島・茨城までで大幅縮小。
  6週目の小笠原海域は、再びアウターへ移動。
  4週振りに北海道周囲の広範囲に強震度想定域が出現。
  東海沖、東シナ海、房総沖アウターの強震度想定域は消滅しております。
小笠原~房総沖、東南海~九州~南西諸島の広範囲で急激な温度低下があります。
 これまでの実績から、急激な温度変化のあった場合には、低温域で発震の可能性が高まります。
解説:強震度想定域とは、
   海水温が急激に上昇した範囲で、過去の実績からM5超発震の可能性がある事を意味します。
   (橙線M4、赤線M5超を示唆)

では、また何か変化があれば、お知らせ致します。バイバイ