【速報】GR則による関東直下M7リスク評価について

昨晩11/16 20:44 M5.4震度4から丸一日が過ぎました。
 これまでの余震は、有感5回+M2.5+の無感17回と成りました。
 今回は、この余震データ(M2.5+ N=23)から、GR則によるM7リスク評価を実施しました。
 (注)まだデータが少なく、誤差大と考えますが、緊急性が高いと判断し試算しました。
◆まずは、発震状況の時系列データですが、
 一般的な群発余震と同様の傾向で、グラフの赤点線に沿って逓減しているようです。
震度の予測434GR千葉a
◆そして、以下がGR則を当てた試算結果です。
 今回リスク評価としてM7級を想定し、累積確率50%で4日後、98%で6日以内でした。
 一番下の時系列累積確率分布によれば、今週中のM7発生を示唆しております。
◆実は、気象庁の記録で1928年~現在までのM7+発震は155回で、約200日/回の頻度です。
 それが、1週間程度で発生する確率とは、平時の約30倍を意味しております。
震度の予測434GR千葉b
◆以下、参考資料です。
 読者から、関東周辺でのプレートの状況についてご質問がありました。
 ご覧の様に、関東(北米P)の下にはフィリピン海Pがあり、その下の太平洋Pとも接しています。
 したがって、関東で70km~90kmのやや深発はフィリピン海Pと北米P境界での発震であり、
 先の11/10茨城南部M5.5震度5弱の震源域と同一P境界面での発震と考えられます。
 関東プレート解説
◆以下は、今回M7を想定した震源域と、発生時の計算震度分布ですが、広範囲で震度5弱以上。
 また、上記11/10茨城南部震源と昨晩からの千葉震源を同一断層面と仮定すると、その総面積から
 宇津則によりM7程度が考えられます。
20131116-M7想定
私のご提示する想定は、最大リスクを考えた場合のひとつの可能性をお知らせしております。
 それは、必ず起こるのでは無く「起こる可能性がある」と言う事です。
 今夜かも知れないし、数日後かも知れない、1週間後、または思い過ごしで終わる…
 私は、大自然相手に全て計算通りに成るなど元々考えにありません。
 これだけは申し訳ありませんが、危機管理情報として、お心積もりをお願い致します。

海水温変化による震源域想定の検証と次の震源域について(その100)

このシリーズも ちょうど第100回目となりました。
(シリーズ化からは約1年半以上続いており、M4超で1週間検証し 平均対応率は8割程です)
◆実は過去記事を検索すると、2011/8/17「新発見か?「海面水温」平年差の分布と震源地の関係
 の中で、既に海水温の2週間差分に着目しており、この解析は、もう2年を過ぎました。
解説:[海水温度分布の平年差]の2週間の変化について、画像処理ソフトで差分を取り、
    次の震源域を想定します。(14日間の至近3日平均からその前11日平均を差し引く演算です)
    これまでの実績からは、温度変化の境界付近で温度低下側に震源が符合しております。
    また、実績から、温度変化の大きな海域も想定域としております。
仮説:なぜ海水温変化で震源域候補が判るのか?
    深海超高圧下の水は4℃一定(最大密度)熱伝導率は金属並みだと考えられます。
    ならば、マントル上部の温度変化が海水温平年差にも現れるハズです。
    実績から見て、その時定数(遅延特性)は数日~1週間と思われます。
    実際、毎週の海水温解析の対応率は8割で、非常に高い相関が認められます。
  ★この演算には、以下の理由から海上保安庁のデータを使用しております。
   ・図中に数字や境界線が入らないので、演算の邪魔にならないこと。
   ・瀬戸内海も表示できるので、より綿密な解析が出来ること。
   ・当日分まで反映されていること。 等々

以下は、先週11/10ご紹介した震源域想定に、その後1週間の実績をプロットしたものです。
水温20131110WA
この間 M4超の地震は33回、うち24回が想定範囲内でした。対応率73%
外れた9回は、高温のまま変化の無かった海域または、内陸での発震でした。
◆M4超の東日本集中度は9割でした。
◆さて、4ヶ月間も続く太平洋の高温域ですが至近は急激な低下⇔上昇を繰り返しており、
 これは解析を始めてから約2年の中でも特筆すべき異常事態だと考えておりました。

 そして、繰り返し「巨大地震の前兆を捉えている可能性」について言及しておりました。
 皆さまご存知の様に、10/26 福島沖アウターライズM7.1の地震が発生した訳です。
 また、今週は関東直下の想定に対して、昨晩11/16 千葉中部M5.4が発生しております。
◆3週前からの太平洋東側の低温域は継続中、関東~東海も低温化しております。
 特に、千葉中部については、11/10茨城南部M5の震源域と同一P境界であり、要注意。

 引き続き、注意深く観察を続けたいと思います。

an_diff1117n.jpg
そして、次の震源域の想定は、以下の通りです。
想定範囲を南西諸島まで拡大。西は西表島、南は南硫黄島まで
水温20131117W
◆強震度想定域は、先週よりは若干縮小方向ではありますが、
 北海道~東日本(含アウター)、関東、東海~関西、南海、沖縄南西諸島と広範囲です。
 
北海道は、東方沖のアウター側は先週から変化なし。

 東日本は、青森東方沖~三陸アウター先週から変化なし。
 また、宮城~福島は、沿岸~アウターに分離して先週とほぼ同様。
 関東~東海は、直下域が関東~東海で、ほぼ先週と同様。
 南海は、四国海盆はるか沖で、先週から変化無し。
 南方は、沖縄南西諸島のみに大幅縮小。
 6週振りに、関西に強震度想定域が出現。

 沖縄東方沖、伊豆諸島の強震度想定域はM4想定に弱まりました。
太平洋・日本海の広範囲な高温域は、沿岸付近で上昇したまま平衡状態。
 (その他の範囲は、高温を保ったまま温度変化が無いため、黒くなっております)
 三陸アウター・東日本域の強震度域消滅⇔復活は、何らかの大きな変化を捉えている可能性あり。
 また、過去の実績から、急激な温度変化のあった海域では、低温側で発震の可能性が高まります。
解説:強震度想定域とは、
   海水温が急激に上昇した範囲で、過去の実績からM5超発震の可能性がある事を意味します。
   (橙線M4、赤線M5超を示唆)

では、また何か変化があれば、お知らせ致します。バイバイ