滋賀県北部M7級地震/長期データによる再評価

滋賀県北部地震
 昨年11月に「滋賀県北部」で有感地震が2週間に5回発生しました。
 昨晩1/14もM3.8と小規模ながら、浅発のため震度3を記録、肝を冷やした方も居らしたと思います。
 以下は、11/11から1/15現在までの震源プロット(M0.5+ N=610)ですが、
 震源域を断層面と仮定すると、宇津則から最大規模はM7.6相当と計算されます。
 ※前々回ご紹介 M7.3想定 → 11/28「滋賀県北部地震/M7級を想定する
 ※ 前 回 ご紹介 M7.6想定 → 1/ 1 「滋賀県北部M7級地震/再評価
20150115滋賀M76GRa
京都南部~滋賀県北部地震
 今回の震源域周辺には「三方・花折(みかた・はなおれ)断層帯」と呼ばれる、琵琶湖の西側に
 沿って、M7級を繰り返している震源があり、
 筆者が確認した範囲で、734年~1854年の間にM7級が8回発生しており、平均周期は約160年
 前回1854年から160年後が、偶然にも2014年なのです。
気象庁1926年からの全有感地震データで長期の再評価
 今回は、気象庁にある1926年からの滋賀京都震源での全有感地震データを用いた
 長期の再評価を実施しました。
 以下、1926/11/10~2015/1/14の全データ(N=764)のプロットですが、実は1927/3/7にもM7.3震度6
 が発生していた事に、今更ですが気付きました。
20150115滋賀M76GRb

GR則(グーテンベルグ・リヒター則)

地震に代表される離散的自然現象は、そのエネルギーと発生頻度を両対数軸で表すと
ほぼ直線的に近似される、というものである。
全有感地震データによるGR則プロットです。
 今回も想定規模をM7.6として、平均発生期間は113年という、過去実績を上回る結果でした。
 ちなみに、前回1854年から160年の点を示すと、4.3σ相当で、累積確率は既に88.1%でした。
20150115滋賀M76GRc  
M7.6の発生時期推定
 前回想定では、短期間の発震データから、想定規模M7.6が4月~8月上旬頃を予測しましたが、
 長期データによる再評価でも、ご覧のように累積確率は88.1%に達しており、すぐにでも発生する
 可能性が、改めて示された事になります。
20150115滋賀M76GRd 
 この計算結果は、筆者が可能性として試算したものであり、実際の地震発生時期を確定する性質のもので無い事だけは是非、ご理解のうえご覧いただきます様、よろしくお願い致します。
※この地震想定の一つの判断材料として、前回は12月中旬にM4級の発生を指摘しましたが、
 若干遅れて12/26にM4.2が発生しており、今後も2月頃までにM5級の発震があれば、
 ほぼ、GR則どおりの発震状況が継続していると考えられ、M7.6発生が現実味を帯びてきます。

◆参考として、地震発生時の被災規模を試算しました。
 該当地域の皆さまには申し訳ありませんが、発生すれば「ほぼ壊滅的」である事は見て取れます。
 ※以下は平均値を提示するもので、実際は地盤状況により前後すると考えます
  (前回想定のM7.3とほぼ同じと考えます)
20141127滋賀M73GRd
大阪、名古屋は、その昔「海の底」だった事が判明
 以下は、筆者が色々な文献を元にして得た、大阪と名古屋の昔の様子ですが、
 実際にM7級が発生すれば、地盤の緩さから「液状化現象」による被害が大きい
 ことも見て取れると思います。
20141127滋賀M73GRe
20141127滋賀M73GRe2
◆地震の様な自然現象が、統計学の予測通りに発生するとは、元々筆者も思ってはいないが、
 ある程度の指標にはなり得ると思われるので、今からでも出来るだけの準備を進めてみては
 いかがでしょうか?