海面高度変化マップと地震の関係や如何に?

笑顔 毎度のお付き合いをありがとうございます。
昨日からM5~6の大きめの発震が続き、震源に近かった方は、さぞかし肝を冷やした事と思います。
さて、話はいきなり飛びますが、
ESA(European Space Agency/欧州宇宙機関)から先月9/19に、観測衛星データ(注)
から解析された海面高度変化マップが公開されました。

ESA海面変化s
(注)以下の高精度海面高度観測衛星によるレーダー観測値データ
Poseidon(仏[CNES]&米[NASA]1992/8/10~2006/1/5)
Jason-1 (仏[CNES]&米[NASA]2001/12/7~)
Jason-2 (仏[CNES]&米[NASA]2008/6/27~)

これによると、
特に太平洋の南洋での海面上昇が大きく、フィリピン・ニューギニア・インドネシアなどで、
年間平均12mmだそうです。
逆に世界最大の湖で有名なカスピ海では、年間平均12mmの湖面低下となっております。

さて、私が今回 気になったのが、日本付近の複雑に入り組んだ状態です。
以下は、日本周辺の拡大図にプレート境界を重ねた図です。

ESA海面変化JPN
皆さんは、この図を見てどのように感じますか?
これは私の直感で申し訳ありませんが、どう控え目に見ても、普通じゃ無いように思えます。

ここで、海面高度変化とは何ぞや、について解説しますと、
月や太陽の潮汐力に起因する潮の満ち引きの変化成分を取り除いても、なお残る海面の変化
を示しているのですが、普通に考えれば、他に変化する要因は無いように思えます。
[2012/10/5追記]
海水温の変化も海面高度変化の重要な要素ですが、この図では10年間平均値を表しているので、
積分効果により均平化され、この図にある局部的な変化としては残らないものと考えます。

しかしながら、実際には この図のように変化し続けている訳です。

更に調べますと、
どうやらプレートそのものの動きや、地殻内部の変化がこの図に現れているようなのです。

つまり、海面の上昇は、重力が弱くなったことを意味しており、
逆に 海面の低下は、重力が強くなったことを意味していると。

では、重力が強くなったり、弱くなったりするのは何故なのか?
実は 地殻が厚くなると重力が弱くなり、薄くなると強くなるのです。
これは、マントルと地殻の密度差(注)に起因し、軽い地殻が重いマントルに浮いているため、
この様な事が起こるようです。
(注)マントル上部3.4g/cm3>地殻2.7~3.3g/cm3

その目で、再度 日本周辺の拡大図をご覧ください。
まず目に入るのが、東南海沖の青い部分=地殻が薄くなり重力が強く、
三陸沖~福島沖も同様に、青い部分=地殻が薄くなり重力が強い。
また、房総から東方に延びる赤い部分=地殻が厚くなり重力が弱く、
北海島東方沖、四国沖、若狭沖も、赤い部分=地殻が厚くなり重力が弱い。

この関係を、素直に力の掛かる方向で示したのが以下の図です。[10/4修正]
ESA海面変化JPN3
すると、見えて来たのが、
東南海沖では、アジアプレートに向かって引っ張る力が作用しており、
同様に、三陸沖(アウターライズ)も周りに引っ張る力が作用していそうな事。

特に、三陸沖アウターライズでは、引っ張り型の正断層地震が予想されており、
この図と結果が一致しているのは、もはや偶然ではないと考えます。
以下に、断層タイプの種別を解説しておきます。
地震の種類
既にご存知の読者も居ると思いますが、
正断層型の地震では、断層が「ドスンッ」と落ちる格好になり、311震災の2~3倍の津波高
になるものと危惧されております。
更に、この図から見ると、
東南海沖地震も同様に、引っ張り型の正断層地震になると考えられます。

本日は、海面高度変化から思わぬ発想が浮かんだため、記事にしてみました。
また何か面白そうな発見があれば、この様な形でご紹介したいと思います。
では、今夜はこれにて失礼いたします。バイバイ


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