海水温変化による震源域想定の検証と次の震源域について(その94)

このシリーズも 第94回目となりました。
(シリーズ化からは約1年半以上続いており、M4超で1週間検証し 平均対応率は8割程です)
◆実は過去記事を検索すると、2011/8/17「新発見か?「海面水温」平年差の分布と震源地の関係
 の中で、既に海水温の2週間差分に着目しており、この解析は、もう2年を過ぎました。
解説:[海水温度分布の平年差]の2週間の変化について、画像処理ソフトで差分を取り、
    次の震源域を想定します。(14日間の至近3日平均からその前11日平均を差し引く演算です)
    これまでの実績からは、温度変化の境界付近で温度低下側に震源が符合しております。
    また、実績から、温度変化の大きな海域も想定域としております。
仮説:なぜ海水温変化で震源域候補が判るのか?
    深海超高圧下の水は4℃一定(最大密度)熱伝導率は金属並みだと考えられます。
    ならば、マントル上部の温度変化が海水温平年差にも現れるハズです。
    実績から見て、その時定数(遅延特性)は数日~1週間と思われます。
    実際、毎週の海水温解析の対応率は8割で、非常に高い相関が認められます。
  ★この演算には、以下の理由から海上保安庁のデータを使用しております。
   ・図中に数字や境界線が入らないので、演算の邪魔にならないこと。
   ・瀬戸内海も表示できるので、より綿密な解析が出来ること。
   ・当日分まで反映されていること。 等々

以下は、先週9/30にご紹介した震源域想定に、その後1週間の実績をプロットしたものです。
水温20130929WA
この間 M4超の地震は20回、うち15回が想定範囲内でした。対応率75%
外れた5回は、何れも高温のまま変化の無かった海域や低温域での発震でした。
◆M4超の東日本集中度は7割でした。
◆さて、約3ヶ月間も続いた、太平洋の高温域が先週から急激な低下→上昇と変化しました。
 これは解析を始めてから約2年の中でも特筆すべき異常事態だと考えます。

 やはり「巨大地震の前兆を捉えている可能性」が否定できません。
 引き続き、注意深く観察を続けたいと思います。

◆ご覧の様に、太平洋南東側の低温域は消滅しております。
an_diff1006n.jpg
そして、次の震源域の想定は、以下の通りです。
想定範囲を南西諸島まで拡大。西は西表島、南は南硫黄島まで
水温20131006W
◆今週の強震度想定域は、ご覧の様に東日本沿岸が完全に復活しております。
 
15週目の北海道は、東方沖アウターに縮小方向。(やや三陸沖アウターにも南下傾向)
  
3週目の東日本沿岸は、福島沖~茨城沖に大幅縮小。
  2週目の伊豆・小笠原海域は、小笠原~東南海はるか沖まで大幅拡大。
◆4週続いた三陸アウター、2週続いた首都圏直下、3週続いた紀伊半島
  大陸側の強震度想定域は消滅しております。

太平洋・日本海の広範囲な高温域は、沿岸付近では上昇したまま平衡状態。
 (その他の範囲は、高温を保ったまま温度変化が無いため、黒くなっております)
 三陸アウター・東日本域の強震度想定域消滅⇔復活は、何らかの大きな変化を捉えている可能性あり。
 また、過去の実績から、急激な温度変化のあった海域では、低温側で発震の可能性が高まります。
解説:強震度想定域とは、
   海水温が急激に上昇した範囲で、過去の実績からM5超発震の可能性がある事を意味します。
   (橙線M4、赤線M5超を示唆)

では、また何か変化があれば、お知らせ致します。バイバイ


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