沖合の深発地震から後発地震までの遅延特性の有意性について

笑顔 毎度のお付き合いをありがとうございます。
昨晩の1:19秋田内陸M5.0震度3を除けば、ほぼ静かな一日が過ぎ去ろうとしております。
さて本日は、T.M氏 Twitter@mincstty
のご尽力により、Hi-net自動処理震源マップのデータ解析が可能となったことから、
以前から気になっていた、沖合の深発地震と後発地震の遅延特性について調べてみました。

ここでは、大体、以下のように深発地震域と後発地震域を定義して、解析を試みました。
なお、深発地震はM3~5について、後発地震はM4超について調査しました。
震度の予測267a
以下は、深発地震(M3~5)と後発地震発生までの遅延特性を見たものです。
調査期間は 2012/5/9~10/4 (148日間/約5ヶ月)です。
震度の予測267b
調査期間中、M4+の後発地震は54回あり、
全体では3日目にピーク(16/54=30%)があり、2番目が5日目(11/54=20%)となりました。
また、M4超の深発では同日中にも後発地震があり、M3では3日後以降となる事も判りました。
私が何となく感じていた、小笠原諸島で深発があると、房総方面で後発地震が起こる様なデータは
今回の解析では、特に優位性(相関関係)は見つかりませんでした。

なお、本日19:10に駿河湾南方沖M3.7(D243km)の深発があったことから、20~30%の確率で後発域に
M4超の地震発生の可能性があることになります。

本日は、手始めとして、簡単な相関関係を記事にしてみました。
また何か面白そうな発見があれば、この様な形でご紹介したいと思います。
では、今夜はこれにて失礼いたします。バイバイ

海水温変化による震源域想定の検証と次の震源域について(その44)

笑顔 毎度のお付き合いをありがとうございます。
さて、このシリーズも第44回目となりました。
(昨年末から毎週末、約10ヶ月半続いており、M4以上で1週間検証し 平均正解率は8割程です)
解説:[海水温度分布の平年差]の2週間の変化について、画像処理ソフトで差分を取り、
    次の震源域を想定します。(14日間の至近3日平均からその前11日平均を差し引く演算です)
    これまでの実績からは、温度変化の境界付近で温度低下側に震源が符合しております。
    また、実績から、温度変化の大きな海域も想定域としております。
  ★既に8/22から北緯35度線から北の高温状態 (今までの経験則が全く通用しません)
   が約一ヶ月半も継続
しており、
   これまでの演算方法だと、全く温度変化が抽出できず、正解率0%と惨敗を喫しました。
   試行錯誤の結果、何とか変化を抽出出来たのが、8/21までの海水温データと8/22以降データ
   との差分を取る方法でした。今週もこの方法により演算しております。

以下は、先週9/28にご紹介した震源域想定に、その後1週間の実績をプロットしたものです。
水温20120928W11dA
この間 M4超の地震は25回、内18回が想定範囲内でした。正解率72%(まぁまぁです)
そして、上記の方法による次の震源域の想定は、以下の通りです。(使用データに注意)
やはり、先週とほぼ同じ想定となりました。
(若干の縮小方向です)
水温20121005W11d
◆今週の注目は、
 12週目に突入した、北海道の内陸部を含む強震度想定域です。

 三陸沖アウターライズも5週連続のランクイン。

◆他にも、先週と同様に、福島~茨城沿岸と豊後水道が強震度想定域です。
では、また何か変化があれば、お知らせ致します。バイバイ

海面高度変化マップと地震の関係や如何に?

笑顔 毎度のお付き合いをありがとうございます。
昨日からM5~6の大きめの発震が続き、震源に近かった方は、さぞかし肝を冷やした事と思います。
さて、話はいきなり飛びますが、
ESA(European Space Agency/欧州宇宙機関)から先月9/19に、観測衛星データ(注)
から解析された海面高度変化マップが公開されました。

ESA海面変化s
(注)以下の高精度海面高度観測衛星によるレーダー観測値データ
Poseidon(仏[CNES]&米[NASA]1992/8/10~2006/1/5)
Jason-1 (仏[CNES]&米[NASA]2001/12/7~)
Jason-2 (仏[CNES]&米[NASA]2008/6/27~)

これによると、
特に太平洋の南洋での海面上昇が大きく、フィリピン・ニューギニア・インドネシアなどで、
年間平均12mmだそうです。
逆に世界最大の湖で有名なカスピ海では、年間平均12mmの湖面低下となっております。

さて、私が今回 気になったのが、日本付近の複雑に入り組んだ状態です。
以下は、日本周辺の拡大図にプレート境界を重ねた図です。

ESA海面変化JPN
皆さんは、この図を見てどのように感じますか?
これは私の直感で申し訳ありませんが、どう控え目に見ても、普通じゃ無いように思えます。

ここで、海面高度変化とは何ぞや、について解説しますと、
月や太陽の潮汐力に起因する潮の満ち引きの変化成分を取り除いても、なお残る海面の変化
を示しているのですが、普通に考えれば、他に変化する要因は無いように思えます。
[2012/10/5追記]
海水温の変化も海面高度変化の重要な要素ですが、この図では10年間平均値を表しているので、
積分効果により均平化され、この図にある局部的な変化としては残らないものと考えます。

しかしながら、実際には この図のように変化し続けている訳です。

更に調べますと、
どうやらプレートそのものの動きや、地殻内部の変化がこの図に現れているようなのです。

つまり、海面の上昇は、重力が弱くなったことを意味しており、
逆に 海面の低下は、重力が強くなったことを意味していると。

では、重力が強くなったり、弱くなったりするのは何故なのか?
実は 地殻が厚くなると重力が弱くなり、薄くなると強くなるのです。
これは、マントルと地殻の密度差(注)に起因し、軽い地殻が重いマントルに浮いているため、
この様な事が起こるようです。
(注)マントル上部3.4g/cm3>地殻2.7~3.3g/cm3

その目で、再度 日本周辺の拡大図をご覧ください。
まず目に入るのが、東南海沖の青い部分=地殻が薄くなり重力が強く、
三陸沖~福島沖も同様に、青い部分=地殻が薄くなり重力が強い。
また、房総から東方に延びる赤い部分=地殻が厚くなり重力が弱く、
北海島東方沖、四国沖、若狭沖も、赤い部分=地殻が厚くなり重力が弱い。

この関係を、素直に力の掛かる方向で示したのが以下の図です。[10/4修正]
ESA海面変化JPN3
すると、見えて来たのが、
東南海沖では、アジアプレートに向かって引っ張る力が作用しており、
同様に、三陸沖(アウターライズ)も周りに引っ張る力が作用していそうな事。

特に、三陸沖アウターライズでは、引っ張り型の正断層地震が予想されており、
この図と結果が一致しているのは、もはや偶然ではないと考えます。
以下に、断層タイプの種別を解説しておきます。
地震の種類
既にご存知の読者も居ると思いますが、
正断層型の地震では、断層が「ドスンッ」と落ちる格好になり、311震災の2~3倍の津波高
になるものと危惧されております。
更に、この図から見ると、
東南海沖地震も同様に、引っ張り型の正断層地震になると考えられます。

本日は、海面高度変化から思わぬ発想が浮かんだため、記事にしてみました。
また何か面白そうな発見があれば、この様な形でご紹介したいと思います。
では、今夜はこれにて失礼いたします。バイバイ

余震はいつまで続くのか?その397(磁気嵐スパイラル3)

笑顔 毎度のお付き合いをありがとうございます。
先ほど、この記事を書いている最中、18:40宮城沖M5.1震度4の地震がありました。
お近くの方、お怪我はありませんでしたか?
ちょうど、本日の「急変点」18:07に対応する発震と考えます。

さて、日中にツイートでお知らせしました通り、
HAARPのデータで、昨晩10/2 19時から3hの地磁気反応を確認しました。
磁気嵐解析762
今回は、NASAのシミュレーションも特に無いので、太陽磁場Bzの反転に伴うものと考えます。
以下、磁気嵐ロジックの計算結果です。
昨晩から確率30%台(M6+対応)になっていたようです。

 (30%台ピークと「魔のくぼみ」を繰り返すパターンとなっております)
磁気嵐解析763
ご覧のように、「ピーク」は4回、「魔のくぼみ」は3回、「急変点」は13回です。
そして、磁気嵐の影響は10/9夕方まで残ることになります。
これに基づき、予測表を更新します。
皆さまに於かれましては、引き続き今一段の警戒をよろしくお願い致します。
現在の日本の状況は、また、いつM6クラスが発生しても不思議ではありません。
(注)上下2段で一日分の予測時刻を表していますので、上下で順不同の場合があります
A 浦河沖、宮城沖、福島沖、千葉東方沖、駿河湾、広島北部、奄美大島
B 三陸沖、福島沖、茨城沖、千葉東方沖、奄美大島
C 秋田内陸、宮城沖、福島内陸、福島沖、茨城北部、和歌山北部
D 三陸沖、岩手沖、宮城沖、福島沖、茨城北部、茨城内陸、茨城沖、千葉東方沖
(A月出6h-)(B月出3h-)(C月出)(D南中3h-)
下 (A南中) (B南中3h+)(C月入)(D月入3h+)
磁気嵐解析764
凡例:背景色の意味(磁気嵐ロジックグラフと色合いを合わせました)
  元々は過去35年間分について磁気嵐によるM6超クラスの発生確率を調査したものですが、
  至近実績との比較により、ほぼ上記の相関関係が確認できましたので表記に採用しました。
◆赤字は「魔のくぼみ」、青字は「急変点」で要注意時間帯を表わします。
凡例:月齢相関に基づく記号
 ★ 特異日(確率3倍超)
 ☆ 注意日(確率2倍超)
 ◇予備日(平均確率)
 △平均以下の日
※予測誤差は±60分で、全有感地震の約70%以上が符合しております。
毎度で恐縮です、繰り返しになりますが、
くれぐれも、皆さまには、特に就寝環境(※)の再確認をよろしくお願い致します。
(※近くに落下物が無いないか、照明類を手の届く範囲に置くなど)
◆磁気嵐による地殻歪みは、必ずどこかに蓄積され、今もトリガーを待っています。
私に出来るのは、この後の災害が最小限になるよう祈る事のみです。
I pray for all the worlds.

TEC(電離圏全電子数分布)と地震の関係を観察中(その7)

笑顔 毎度のお付き合いをありがとうございます。
NASAが公開しているTEC(電離圏全電子数分布)と地震の関係について、観察中です。
◆私なりの考察として、以下をご紹介しました。
・TEC画像を24h加算処理して得た停滞度が、次の24hで起こるM4.5超の震源の7割と一致する。
・48hプロットだと正解率が50%に低下する事から、この手法が短期予測に適する。


以下は、昨日のTEC画像から得た想定震源域に、その後24hのM4.5超の地震をプロットしたものです。
TEC-EQ20121001.jpg
24hでM4.5超の地震が11回あり、正解率は82% 残念ながら、今朝のM6.3は想定域外でしたが、
これほどの強い相関は、今までの経験から、ほぼ完成された短期予測ツールとして十分と考えます。

さて、昨日 読者から
「昨晩のコロンビアM7.3の兆候は、9/24のTEC (注)からあったと考えられるのではないか」
とのアドバイスを戴きました。
 (注)至近では、初めて南米から高密度域が観測された日
私としも、確かに兆候として重要であると感じましたので、9/24~9/29の画像解析を試みました。
以下は、この129hを加算処理して得た画像に、現在までのM4.5超地震をプロットしたものです

TEC-EQ20120924-0929b.jpg
ご覧のように、確かに昨晩のコロンビアM7.3は予測域内でしたが、他の正解率は43%と低調でした。
◆結果的に、いつも高密度を示している太平洋と東南アジアばかりが目立ち、
 肝心の南米の影が薄くなってしまいました。

 これらのことから、
 客観的に見ても、やはりNASA-TECから観測されるものは「短期予測に適している」と考えます。

では、引き続きの観察を続けたいと思います。
今夜も、早めに就寝したいと思います。バイバイ

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