海水温変化による震源域想定の検証と次の震源域について(その107)

このシリーズも 第107回目となりました。
(シリーズ化からは約1年半以上続いており、M4超で1週間検証し 平均対応率は8割程です)
◆実は過去記事を検索すると、2011/8/17「新発見か?「海面水温」平年差の分布と震源地の関係
 の中で、既に海水温の2週間差分に着目しており、この解析は、もう2年を過ぎました。
解説:[海水温度分布の平年差]の2週間の変化について、画像処理ソフトで差分を取り、
    次の震源域を想定します。(14日間の至近3日平均からその前11日平均を差し引く演算です)
    これまでの実績からは、温度変化の境界付近で温度低下側に震源が符合しております。
    また、実績から、温度変化の大きな海域も想定域としております。
仮説:なぜ海水温変化で震源域候補が判るのか?
    深海超高圧下の水は4℃一定(最大密度)熱伝導率は金属並みだと考えられます。
    ならば、マントル上部の温度変化が海水温平年差にも現れるハズです。
    実績から見て、その時定数(遅延特性)は数日~1週間と思われます。
    実際、毎週の海水温解析の対応率は8割で、非常に高い相関が認められます。
  ★この演算には、以下の理由から海上保安庁のデータを使用しております。
   ・図中に数字や境界線が入らないので、演算の邪魔にならないこと。
   ・瀬戸内海も表示できるので、より綿密な解析が出来ること。
   ・当日分まで反映されていること。 等々

以下は、先週12/29ご紹介した震源域想定に、その後1週間の実績をプロットしたものです。
水温20131229WA
この間 M4超の地震は12回、うち12回全てが想定範囲内でした。対応率100%
◆M4超の東日本集中度は9割でした。
◆さて、4ヶ月間も続く太平洋の高温域ですが至近は急激な低下⇔上昇を繰り返しており、
 これは解析を始めてから約2年の中でも特筆すべき異常事態だと考えておりました。

 そして、繰り返し「巨大地震の前兆を捉えている可能性」について言及しておりました。
 皆さまご存知の様に、10/26 福島沖アウターライズM7.1の地震が発生した訳です。
 今週は強震度想定域を中心に、東日本域でM5+が発生しました。
◆10週前からの低温域は、東北沿岸~アウター~日本海に更に拡大方向。
 東海~関東直下の低温域は、瀬戸内海まで拡大して7週間も続いており、今週も要注意です。

 引き続き、注意深く観察を続けたいと思います。

an_diff0105n.jpg
そして、次の震源域の想定は、以下の通りです。
想定範囲を南西諸島まで拡大。西は西表島、南は南硫黄島まで
水温20140105W
◆強震度想定域は、北海道・日本海~東日本(含アウター)、関東~東海、関西~四国・九州
 北海道は、浦河沖で先週から大幅に縮小。

 東日本は、三陸沖~宮城沖アウター、福島~茨城は内陸を含み、先週より大幅に拡大。
 関東~東海 および 関西~四国・九州は、直下域が連続し、先週より大幅に拡大。
 日本海側は、青森沖~山陰沖まで連続になり、先週より大幅に拡大。

太平洋・日本海の広範囲で再び高温域が復活して来ました。
 三陸アウター・東日本域の強震度域消滅⇔復活は、何らかの大きな変化を捉えている可能性あり。
 また、過去の実績から、急激な温度変化のあった海域では、低温側で発震の可能性が高まります。
解説:強震度想定域とは、
   海水温が急激に上昇した範囲で、過去の実績からM5超発震の可能性がある事を意味します。
   (橙線M4、赤線M5超を示唆)

では、また何か変化があれば、お知らせ致します。バイバイ


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA