海水温変化による震源域想定の検証と次の震源域について(その110)
このシリーズも 第110回目となりました。
(シリーズ化からは約1年半以上続いており、M4超で1週間検証し 平均対応率は8割程です)
◆実は過去記事を検索すると、2011/8/17「新発見か?「海面水温」平年差の分布と震源地の関係」
の中で、既に海水温の2週間差分に着目しており、この解析は、もう2年を過ぎました。
解説:[海水温度分布★の平年差]の2週間の変化について、画像処理ソフトで差分を取り、
次の震源域を想定します。(14日間の至近3日平均からその前11日平均を差し引く演算です)
これまでの実績からは、温度変化の境界付近で温度低下側に震源が符合しております。
また、実績から、温度変化の大きな海域も想定域としております。
仮説:なぜ海水温変化で震源域候補が判るのか?
深海超高圧下の水は4℃一定(最大密度)熱伝導率は金属並みだと考えられます。
ならば、マントル上部の温度変化が海水温平年差にも現れるハズです。
実績から見て、その時定数(遅延特性)は数日~1週間と思われます。
実際、毎週の海水温解析の対応率は8割で、非常に高い相関が認められます。
★この演算には、以下の理由から海上保安庁のデータを使用しております。
・図中に数字や境界線が入らないので、演算の邪魔にならないこと。
・瀬戸内海も表示できるので、より綿密な解析が出来ること。
・当日分まで反映されていること。 等々
以下は、先週1/19ご紹介した震源域想定に、その後1週間の実績をプロットしたものです。
この間 M4超の地震は14回、うち14回全てが想定範囲内でした。対応率100%
◆M4超の東日本集中度は9割でした。
◆さて、4ヶ月間も続く太平洋の高温域ですが至近は急激な低下⇔上昇を繰り返しており、
これは解析を始めてから約2年の中でも特筆すべき異常事態だと考えておりました。
そして、繰り返し「巨大地震の前兆を捉えている可能性」について言及しておりました。
皆さまご存知の様に、10/26 福島沖アウターライズM7.1の地震が発生した訳です。
今週は強震度想定域ではなく、小笠原東方沖でM5+が発生しました。
◆13週前からの低温域は、東北沿岸~アウター~日本海で先週から若干拡大方向。
東海~関東直下の低温域は、瀬戸内海まで拡大して10週間も続いており、今週も要注意です。
引き続き、注意深く観察を続けたいと思います。
そして、次の震源域の想定は、以下の通りです。
◆想定範囲を南西諸島まで拡大。西は西表島、南は南硫黄島まで
[今週から、震源想定域の幅を約50km→30kmにしました]
◆強震度想定域は、北海道・日本海~東日本(含アウター)、関東~東海~関西、九州
北海道は、日本海・東方沖で先週から若干拡大。
東日本は、三陸沖~アウター、青森は内陸を含み、先週より若干拡大。
関東~東海~関西~四国・九州は、直下域が再び連結し、先週より拡大方向。
日本海側は、北海道~山陰はるか沖で、先週より大幅拡大。
◆東日本の太平洋側に強い高温域が復活して来ました。
また、東海沖~伊豆諸島に大きく低温域が拡大しております。
三陸アウター・東日本域の強震度域消滅⇔復活は、何らかの大きな変化を捉えている可能性あり。
また、過去の実績から、急激な温度変化のあった海域では、低温側で発震の可能性が高まります。
解説:強震度想定域とは、
海水温が急激に上昇した範囲で、過去の実績からM5超発震の可能性がある事を意味します。
(橙線M4、赤線M5超を示唆)
では、また何か変化があれば、お知らせ致します。
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あくまで有感地震の話ですが、なんかここまで静かだと逆に身構えてしまうのは本能でしょうかね。。。
もうすぐ震災後3年ですが、余震の回数は、他のM9の地震と比べてどうなんでしょう?
何となく少なくないですかね?
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他のM9余震データがあまりわからないので何ともいえませんが、3年でM6が112回、M7以上が8回というのは意外と多いのかもと思えてきました。
まだ、3年ですので我慢ですね。
それにしても、これまでの総エネルギーや地殻変動の方向や距離を計算すると、今後のためにいろいろなことがわかりそうですが、なかなか一般に出てこないですね。。。
研究している大学とかありそうな気がしますが。。。
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> 他のM9余震データがあまりわからないので何ともいえませんが、3年でM6が112回、M7以上が8回というのは意外と多いのかもと思えてきました。
いつも、ありがとうございます。
この件については、ブログの極初期の記事で触れておりました。
ご存知かも知れませんが「グーテンベルク・リヒターの法則」によれば
本震M9.0ならば、統計的にマグニチュードが1下がる毎に余震回数は
10倍となり、M8級=1回、M7級=10回、M6級=100回、
M5級=1000回となります。
気象庁が発表した東日本域の余震回数(有感のみ)によると、
M8級=1回?(本震29分後の茨城県沖M7.9を1回とするか)
M7級= 8/ 10回= 80%
M6級=104/ 100回=104%
M5級=796/1000回= 80%
となって、M5級は回数が多く、法則からやや外れるとしても、
余震回数としては、まだ消化きれていない計算になります。
余震はいつまで続くのか?その6(2011/5/18記事)
http://boppo20110311.blog.fc2.com/blog-entry-124.html
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3年でこの消化成績がいいのか悪いのかいまいち素人には不明ですが、まだまだ気をつけなくてはいけないですね。
ところで、「グーテンベルク・リヒターの法則」についてわからないことがあるのですが、、、
この法則から考えますと、1000年に1回とも言われるM9級が同エリアでまた次に起きるとすれば、その間にM8が10回起こる可能性が高く、M7は100回ほど起きることになります。
この場合、M7については震災後3年の余震で既に8パーセント消化してしまったという意味なんでしょうか?
余震は別なんでしょうかね?
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> 「グーテンベルク・リヒターの法則」についてわからないことがあるのですが、、、
>
> この法則から考えますと、1000年に1回とも言われるM9級が同エリアでまた次に起きるとすれば、
> その間にM8が10回起こる可能性が高く、M7は100回ほど起きることになります。
興味深く見させてもらってます さんへ
GR則では「ある震源域で発生する地震規模Mと発生回数は指数関係にある」としております。
また、本震よりM1小さい発震1回を基本として、M2小さければ10回、M3なら100回
という具合に考えれば良い様です。
したがって、本震がM9であれば、M8=1回、M7=10回、M6=100回が発生する
となりますが、これは本震を含む震源域に限定した「余震の回数」を示唆します。
また、余震の回数を消化する前に、次の本震が発生した場合は、それぞれが独立系として発生して
余震の回数は、2つの総和になると考えられます。
また、GR則を使って、ある震源域での群発地震のMと回数との関係から逆算して、将来起こり得る
本震のM規模と発生時期をある程度予測する事も可能です。
以上の説明でご理解いただけましたでしょうか?
では、また。 BOPPOより
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いつもありがとうございます。
とてもよくわかりました。
余震は余震で考えるんですね。。。