食品から摂取するC137の体内蓄積濃度について [年齢による差異を考慮]
毎度のお付き合いをありがとうございます。
先の記事12/27「食品から摂取するC137の蓄積量の推移について」では、食事によるC137の内部被爆量
について、C137の生体半減期 (正確には生物学的半減期と言う) を全て110日としてご紹介しました。
その後、色々と調べるうちに、年齢によって「生物学的半減期」に差異がある事を知りました。
◆今回は、年齢による「生物学的半減期」の差異を考慮した、食事によるC137の内部被爆量
について、ご報告致します。
こちらが、NIRS/放射線医学総合研究所による年齢別C137全身残留率グラフです。
このグラフは、その一部を拡大しています。 (注意:上記リンクはpdfファイルです)
ご覧のように、年齢が若いほど新陳代謝が高いので、必然的にC137全身残留率も短期間で下がります。
このグラフから「生物学的半減期」を算出するには、残留率1/10,1/100となる日数をT10,T100とすれば、
半減期:T2=Ln2*(T100-T10)/(Ln100-Ln10) により計算できます。(Lnは自然対数eを底とする対数)
◆以下は、上記グラフから求めた「生物学的半減期」を使って、毎日10[Bq]摂取した場合の
C137蓄積量を1年間積算して得たグラフです。 (3ヶ月の乳児は参考値です)
◆更に各年齢の食事量を考慮したC137体内蓄積濃度[Bq/kg]を以下に示します。
食品のC137が10[Bq/kg]の場合。半減期が最短の1才以外は体内蓄積濃度が20[Bq/kg]を超えます。
これは、先の朝日新聞のデータで福島で最高値の食事内容に相当します。
食品のC137が7[Bq/kg]の場合、20[Bq/kg]を超えるのは、半減期が長く食事量の多い15才以上。
これは、先の朝日新聞のデータで関東で最高値の食事内容に相当します。
◆これらの結果から、先日ご紹介した「茨城県取手市の小中学生の約5%に心電図異常」の原因は、
食事からの内部被爆と併せて、今なお依然として高い空間線量による「吸気等による外部被爆」
も関係すると考えます。
◆ちなみに、関東での食事によるC137摂取量は、
朝日新聞のデータで次点以下が7~4[Bq/日]である事から、食材に注意しているご家庭であれば、
全年齢で十分に20[Bq/kg]を下回るものと考えます。
では、また何か新たな知見があれば、お知らせ致します。