海水温変化による震源域想定の検証と次の震源域について(その83)

このシリーズも 第83回目を迎えました。
(シリーズ化からは約1年半続いており、M4以上で1週間検証し 平均対応率は8割程です)
◆実は過去記事を検索すると、2011/8/17「新発見か?「海面水温」平年差の分布と震源地の関係
 の中で、既に海水温の2週間差分に着目しており、この解析は、もうすぐ2年近くに成ります。
解説:[海水温度分布の平年差]の2週間の変化について、画像処理ソフトで差分を取り、
    次の震源域を想定します。(14日間の至近3日平均からその前11日平均を差し引く演算です)
    これまでの実績からは、温度変化の境界付近で温度低下側に震源が符合しております。
    また、実績から、温度変化の大きな海域も想定域としております。
  ★この演算には、以下の理由から海上保安庁のデータを使用しております。
   ・図中に数字や境界線が入らないので、演算の邪魔にならないこと。
   ・瀬戸内海も表示できるので、より綿密な解析が出来ること。
   ・当日分まで反映されていること。 等々

以下は、先週7/14にご紹介した震源域想定に、その後1週間の実績をプロットしたものです。
水温20130714WA2
この間 M4超の地震は24回、うち21回が想定範囲内でした。対応率88%
外れた3回は、想定域より更に低温側または温度変化の無い海域での発震でした。
◆M4超の7割が東日本域での発震でした。
そして、次の震源域の想定は、以下の通りです。
◆先週と逆に、北海道~東日本の広範囲で海水温が急激に低下しております。
 至近1ヶ月ほど、実に変化の激しい状態が続いております。
 これは解析を始めてから1年半の中でも特筆すべき異常事態だと考えます。
 やはり「巨大地震の前兆を捉えている可能性」が否定できません。
 更に注意深く観察を続けたいと思います。

想定範囲を南西諸島まで拡大。西は西表島、南は南硫黄島まで
水温20130721W
◆今週の強震度想定域は、
  
9週目の小笠原海域は、東方はるか沖に一部残すのみ。
  4週目の北海道は、北・東・南方沖と広範囲に拡大。
  3週振りに三陸アウターの強震度想定域が復活しました。
  (ここは数ヶ月の前兆の後、昨年12/7にM7超が発生。次はM8超が危惧されている震源域です)

  3週振りに東日本沿岸も強震度想定域が復活です。

  初めて南西諸島に強震度想定域が出現です。
太平洋南方の小笠原~東南海~九州~沖縄本島近海での広範囲な高温域は継続中。
 (上の図では、高温を保ったまま温度変化が無いため、黒くなっております)
 三陸アウター・東日本域の強震度想定域消滅→復活は、何らかの大きな変化を捉えている可能性あり。
 また、過去の実績から、急激な温度変化のあった海域では、低温側で発震の可能性が高まります。
伊豆諸島、房総沖三重合点、九州南方、豊後水道の強震度想定域は消滅しております。
解説:強震度想定域とは、
   海水温が急激に上昇した範囲で、過去の実績からM5超発震の可能性がある事を意味します。
   (橙線M4、赤線M5超を示唆)

では、また何か変化があれば、お知らせ致します。バイバイ


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