海水温変化による震源域想定の検証と次の震源域について(その115)
このシリーズも 第115回目となりました。
(シリーズ化からは約1年半以上続いており、M4超で1週間検証し 平均対応率は8割程です)
◆実は過去記事を検索すると、2011/8/17「新発見か?「海面水温」平年差の分布と震源地の関係」
の中で、既に海水温の2週間差分に着目しており、この解析は、もう2年を過ぎました。
解説:[海水温度分布★の平年差]の2週間の変化について、画像処理ソフトで差分を取り、
次の震源域を想定します。(14日間の至近3日平均からその前11日平均を差し引く演算です)
これまでの実績からは、温度変化の境界付近で温度低下側に震源が符合しております。
また、実績から、温度変化の大きな海域も想定域としております。
仮説:なぜ海水温変化で震源域候補が判るのか?
深海超高圧下の水は4℃一定(最大密度)熱伝導率は金属並みだと考えられます。
ならば、マントル上部の温度変化が海水温平年差にも現れるハズです。
実績から見て、その時定数(遅延特性)は数日~1週間と思われます。
実際、毎週の海水温解析の対応率は8割で、非常に高い相関が認められます。
★この演算には、以下の理由から海上保安庁のデータを使用しております。
・図中に数字や境界線が入らないので、演算の邪魔にならないこと。
・瀬戸内海も表示できるので、より綿密な解析が出来ること。
・当日分まで反映されていること。 等々
以下は、先週2/23ご紹介した震源域想定に、その後1週間の実績をプロットしたものです。
この間 M4超の地震は12回、うち11回が想定範囲内でした。対応率92%
◆M4超の東日本集中度は8割でした。
◆さて、6ヶ月間も続く太平洋の高温域ですが至近は急激な低下⇔上昇を繰り返しており、
これは解析を始めてから約2年の中でも特筆すべき異常事態だと考えておりました。
そして、繰り返し「巨大地震の前兆を捉えている可能性」について言及しておりました。
皆さまご存知の様に、10/26 福島沖アウターライズM7.1の地震が発生した訳です。
今週は国内でのM5+発震はありませんでした。
◆18週前からの低温域は、東北沿岸~アウターで先週から更に縮小方向。
東海~関東直下の低温域は、瀬戸内海からは後退したものの15週間も続いており、今週も要注意です。
引き続き、注意深く観察を続けたいと思います。
そして、次の震源域の想定は、以下の通りです。
◆想定範囲を南西諸島まで拡大。西は西表島、南は南硫黄島まで
◆強震度想定域は、北海道・日本海~東日本(含アウター)、伊豆諸島~東海・関西~中国
北海道は、日本海~内陸で先週からやや縮小方向。
東日本は、三陸~福島~茨城沖(内陸~アウター)で、先週から拡大方向。
関東~東海~関西は、直下域が連続、特に東海に強い範囲が出現。
日本海側は、北海道~東北が中心で、先週から拡大方向。
◆東日本の太平洋側に強い高温域がほぼ復活して来ました。
また、東海沖~伊豆諸島の低温域は引き続き定在しております。
三陸アウター・東日本域の強震度域消滅⇔復活は、何らかの大きな変化を捉えている可能性あり。
また、過去の実績から、急激な温度変化のあった海域では、低温側で発震の可能性が高まります。
解説:強震度想定域とは、
海水温が急激に上昇した範囲で、過去の実績からM5超発震の可能性がある事を意味します。
(橙線M4、赤線M5超を示唆)
では、また何か変化があれば、お知らせ致します。