浜岡原発停止要請を巡る動きについて

毎度のお付き合いをありがとうございます。
先に菅総理が浜岡原発停止要請の理由とした、東海地震30年以内の発生確率87%とは、地震調査委員会が約10年前に発表したもので、現在まで見直されていません。
したがって、
素直に考えれば、この10年で発生確率は確実に上昇していると思われます。単純には10年前で、その後30年間発生しない確率が13%なので、このうち1/3を消化したものと考えれば、残りは約9%となり、30年以内87%→20年以内91%と見直されるべきです。
また、
以前のブログ「余震はいつまで続くのか?その3」の中でご紹介した、京都大学防災研究所地震予知研究センター遠田晋次准教授による「東北地方太平洋沖地震にともなう静的応力変化(第三報, 3/15)」では、浜岡原発のある東海トラフへの応力変化が明らかに上昇しており、既に限りなく100%に近くなっているものと考えられます。
そもそも、こんな地震の巣窟に原発を建設すること自体が無謀(自殺行為)なのです。
日本経団連の米倉会長が、
菅首相の浜岡原発停止要請について「思考の過程がブラックボックスで唐突だ。政治家としての態度を疑う。パフォーマンスに過ぎない」と批判したそうだ。
何と嘆かわしい。目先の利益しか見えない「小人」が、財界総理と言われる経団連の会長を務めているのかと思うと、それをワザワザ報道しているメディアも同罪だ。
もう、世も末である。。。。
その一方で、
大橋忠晴川崎重工業会長(神戸商工会議所会頭)は、菅首相が浜岡原子力発電所の全炉停止を要請したことについて「一国の首相として、当然だと思う」との考えを示した。
 川重は愛知県や岐阜県に航空機部品などの生産工場があり、中部電力の電力不足の影響は、直接に業績に影響する立場でありながら「安全対策が取れてない時点では、止めてとお願いするのは正しい方向だと思っている」と話したそうだ。
私は、こういう人物に日本経団連の会長職に就いて戴きたいと思います。
では、また。

東日本大震災での震度7の疑問

毎度のお付き合いをありがとうございます。

先日ご紹介した、
ハーバード大学[地球惑星科学]石井水晶准教授とEric Kiser氏による単純震源遡及法
による解析では、東日本大地震の断層破壊進行の様子が非常に複雑な過程を経ている
ことが、手に取るように分かります。

私が以前から疑問に思っいてた、
震度7を記録した地域が宮城県栗原市と福島県いわき市の2箇所に点在している理由
についても、見事に理解が出来ました。
311地震の震度7.jpg

今回の地震で震央とされている宮城県沖は、あくまでも断層破壊進行の発生点(始点)
であって、断層の重心ではないということが、まず一つ。
再度、断層破壊進行の過程を見ると、まず今回の震央とされる宮城県沖から牡鹿半島
に向かって進行し、その後福島県いわき市の沖合まで南下して、数秒の間をおいてから、
茨城県の海岸線から離れた東方沖へ移ります。これが断層破壊の終点となりました。
311断層崩壊過程.jpg

もし仮に、
茨城県の海岸線にも断層破壊が南下していれば、おそらく東海第二原発も福島原発と
同じ運命になっていたに違いないでしょう。
本当に、不幸中の幸いとしか言い様がありません。。。

また、2氏によれば、この地震では25分間にM6以上の地震が10回確認でき、
全ての地震のエネルギーを足し合わせると、総合M8.8になります。
この値は今回解析での単独M8.4より0.4ほど高くなります。
本震Mを、気象庁とアメリカ地質研究所から発表されたM9.0を基準に考えれば、
誘発地震と本震直後の大きな地震がすべて一度に起こったとすれば、超本震の
マグニチュードは最高でM9.4と考えることも出来ます。

先の菅総理の記者会見で、
中部電力の浜岡原発について、即時の停止要請がされたました。
これを国民の信頼を取り戻すためのパフォーマンスと揶揄するメディアもあるようですが、
もう、福島原発事故の二の舞は絶対に許されません。
私は、これは菅総理の大英断であると思います。
根回しが無いとか、不器用だとか言ってる場合じゃないのですよ

では、また。

緊急地震速報のPC版

毎度のお付き合いをありがとうございます。

前回の続きの様なものですが、
あと何秒で地震が来るかをカウントダウンで知らせてくれる常駐ソフトがあります。

[SignalNow Express]というもので、インストールも簡単です。

signalnow.jpg

気象庁の[高度利用者向け緊急地震速報]を受信し、地震到達までのカウントダウンと
予測震度をポップアップ表示してくれます。

今のところ、
配信元のサーバー強化に加えて、利用者自体が少ないのか、テレビの緊急地震速報
よりも、情報が早くて便利です。

ただし、PCが起動してないと当然、お知らせは出来ません

では、また。

地震のリアルタイム観察について

毎度のお付き合いをありがとうございます。

このところ、
地震に関して色々と調べているのですが、便利?なツールを見つけましたので、
ここで、ご紹介したいと思います。

強震モニタ」というもので、
独立行政法人防災科学技術研究所が、各地の震度計データから、最大加速度と
リアルタイム震度を時々刻々(2秒更新)と表示しています。
強震モニタ.jpg

しばらく観察していると、
震度1にも満たない小さな地震が、数分おきに発生していることが判ります。
やはり、今回の余震域での発生頻度が高い様に感じます。

でも、良く見たら、震度ってマイナス表示もあったのですね。
考えてみれば、元々数学的には対数表記なので、当たり前のことなのですが。

もちろん、
大きな地震が発生すれば、その振動が日本国中に拡散していく様子も見えますので、
自分のところまで地震が到達する前に、何かしらの避難行動を取ることも可能です。

でも、四六時中こればかり見てはいられませんので、やはりテレビの緊急地震速報
が一番便利ですよね。(最近、誤報も多い様ですが。。。)

では、また。

地震と月の引力の関係について

毎度のお付き合いをありがとうございます。
相変わらず、
強い余震が続いておりますが、被災された皆さまには、今後の生活への不安など
さぞかし、ご心痛のことと胸中ご察し申し上げます。
早いもので、あの悪夢から一ヶ月が過ぎました。(余震も千回を超えました)
いやいや、本当のところは、まだ悪夢の真っ最中なのだと思った方が賢明でしょう。
先日のブログで、[巨大地震は、今後も予断を許さない]と題して
今回の東日本大震災とスマトラ沖大地震との共通点についてご紹介しましたが、
地震のデータを見ているうちに、何となく月の影響もあるのではないかと思い、
データ解析を試みました。
すると、
比較的大きな余震が、月の引力が最も影響しやすい月の南中時間を中心として
起こっていることが判りました。
まず、この一ヶ月の地震について、月の位置関係との相関を見てみます。
地震と月の位置.jpg
そして、更に地震の大きさ毎にその分布を見てみると、以下の様になります。
地震と月の位置2.jpg
比較的小さな規模(M4~M5)については、月の位置関係との相関は見られませんが、
M5.5以上のグラフでは、月の南中時刻の前2時間から後4時間の6時間(色を付けた部分)
の間に全体の約50%のエネルギーが集中
していることが判ります。
ちなみに、M6以上では、
本震が月の南中時刻の2時間前で、その後たて続けに大きな余震があったため、
グラフが一点に集中しているものです。
月の引力は海の満ち引きを起こすほどなので、地球への影響力は大きいものです。
過去にも、地震との関連性を試みた論文が存在しているようです。
[月や太陽の引力が地震の引き金に:防災科学技術研究所]
私の解析でも、今回の地震では、確実に相関があるように見えます。
用心にこしたことはありません。
これからは、
月が南に見えたら、強い余震の可能性が大きいことを念頭に、地震への心構えを
してみてはいかがでしょうか?
では、また。

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