余震はいつまで続くのか?その2(反比例則)

毎度のお付き合いをありがとうございます。

あの日から、
早くも一月以上が過ぎましたが、依然として毎日のように余震が続いております。

この余震、
一体いつまで続くものなのかと、色々と調べていくうちに、ある法則が存在する
ことを知りました。
グーテンベルク・リヒターの法則」と呼ばれており、余震の回数は日を追う毎に
減少するのですが、例えば、当日の余震が100回あれば、2日目は1/2の50回、
3日目は1/3の33回となり、10日経てば、1/10の10回というように、
ほぼ日数に反比例して、回数が減少していくというもの。

そこで、
今回の地震について、横軸に日数、縦軸の左の目盛は青い点のマグニチュードを、
右側の目盛は日毎のM5.0以上の余震回数を赤い点でプロットしてみました。
余震の傾向.jpg

すると、それは見事なまでに、緑色の反比例曲線に沿っていることが判ります。

この傾向によれば、100日後(6月下旬)でも、M5.0以上の余震が毎日1回はあることになります。

更に考えを延ばせば、
1年後でも99/365=0.271回/日となって、確率的には1週間に2回はM5.0以上の余震があるのです。

まだ記憶に新しい、
ニュージーランドやスマトラ地震でも、およそ1年後に大きな余震が発生しています。

今回の検証で、
史上でも稀であるこの大地震について、ますます予断を許せない状況であることを痛感致しました。

皆さまにも万一の備えを怠らぬよう、お互いに心がけたいものです。

では、また。

余震はいつまで続くのか?(標準パターン)

毎度のお付き合いをありがとうございます。

今回の東日本大震災に関連して、カリフォルニア工科大学地震研究所所長の
ヒートン氏(Thomas Heaton)が「余震はいつ止むのか?」という問題に対して、
ひとつの興味深いレポートをしているので、ご紹介したい。

今回の本震がM9.0であることから、その余震が当分続くことは容易に想像
できるが、ヒートン氏は、これまでの大地震の統計的な知見から、ある程度の
ヒントを与えてくれている。

-----—以下抜粋---------------------------------------------------
─今回の地震域と日本の地震活動の短期的な将来見通しについては?
M9級の他の地震を見ると、多数の余震が起きている。
平均するとM9の地震に対してM8の余震が1回ある。
今回は実は本震のデータの中にM8の地震が1つ隠れていた。
余震はM7級が10回M6級が100回といった具合に起こるだろう。
それが典型的なパターンだ。
-----------------------------------------------------------------—

これに基づき、
これまでの余震のデータを見てみると、本震の29分後に茨城沖でM7.9の余震
があった。願わくば、これがこのリポートでいうM8級の1回であって欲しい。
そして、
M7級は、3回なので残り7回くらい。M6級は、約50回なので残り半分
という結論が見えてくる。

今までの大地震の平均的なデータが、今回の地震にそのまま当てはまると考えるのは、
少々短絡的ではあるが、少なくとも、余震の規模や数で言えば、まだ半分も消化して
いない可能性が大きい
ようだ。

しばらくは、大きな余震があって当然、との心構えが必要であるのは間違いない。

では、また。

浜岡原発停止要請を巡る動きについて

毎度のお付き合いをありがとうございます。
先に菅総理が浜岡原発停止要請の理由とした、東海地震30年以内の発生確率87%とは、地震調査委員会が約10年前に発表したもので、現在まで見直されていません。
したがって、
素直に考えれば、この10年で発生確率は確実に上昇していると思われます。単純には10年前で、その後30年間発生しない確率が13%なので、このうち1/3を消化したものと考えれば、残りは約9%となり、30年以内87%→20年以内91%と見直されるべきです。
また、
以前のブログ「余震はいつまで続くのか?その3」の中でご紹介した、京都大学防災研究所地震予知研究センター遠田晋次准教授による「東北地方太平洋沖地震にともなう静的応力変化(第三報, 3/15)」では、浜岡原発のある東海トラフへの応力変化が明らかに上昇しており、既に限りなく100%に近くなっているものと考えられます。
そもそも、こんな地震の巣窟に原発を建設すること自体が無謀(自殺行為)なのです。
日本経団連の米倉会長が、
菅首相の浜岡原発停止要請について「思考の過程がブラックボックスで唐突だ。政治家としての態度を疑う。パフォーマンスに過ぎない」と批判したそうだ。
何と嘆かわしい。目先の利益しか見えない「小人」が、財界総理と言われる経団連の会長を務めているのかと思うと、それをワザワザ報道しているメディアも同罪だ。
もう、世も末である。。。。
その一方で、
大橋忠晴川崎重工業会長(神戸商工会議所会頭)は、菅首相が浜岡原子力発電所の全炉停止を要請したことについて「一国の首相として、当然だと思う」との考えを示した。
 川重は愛知県や岐阜県に航空機部品などの生産工場があり、中部電力の電力不足の影響は、直接に業績に影響する立場でありながら「安全対策が取れてない時点では、止めてとお願いするのは正しい方向だと思っている」と話したそうだ。
私は、こういう人物に日本経団連の会長職に就いて戴きたいと思います。
では、また。

東日本大震災での震度7の疑問

毎度のお付き合いをありがとうございます。

先日ご紹介した、
ハーバード大学[地球惑星科学]石井水晶准教授とEric Kiser氏による単純震源遡及法
による解析では、東日本大地震の断層破壊進行の様子が非常に複雑な過程を経ている
ことが、手に取るように分かります。

私が以前から疑問に思っいてた、
震度7を記録した地域が宮城県栗原市と福島県いわき市の2箇所に点在している理由
についても、見事に理解が出来ました。
311地震の震度7.jpg

今回の地震で震央とされている宮城県沖は、あくまでも断層破壊進行の発生点(始点)
であって、断層の重心ではないということが、まず一つ。
再度、断層破壊進行の過程を見ると、まず今回の震央とされる宮城県沖から牡鹿半島
に向かって進行し、その後福島県いわき市の沖合まで南下して、数秒の間をおいてから、
茨城県の海岸線から離れた東方沖へ移ります。これが断層破壊の終点となりました。
311断層崩壊過程.jpg

もし仮に、
茨城県の海岸線にも断層破壊が南下していれば、おそらく東海第二原発も福島原発と
同じ運命になっていたに違いないでしょう。
本当に、不幸中の幸いとしか言い様がありません。。。

また、2氏によれば、この地震では25分間にM6以上の地震が10回確認でき、
全ての地震のエネルギーを足し合わせると、総合M8.8になります。
この値は今回解析での単独M8.4より0.4ほど高くなります。
本震Mを、気象庁とアメリカ地質研究所から発表されたM9.0を基準に考えれば、
誘発地震と本震直後の大きな地震がすべて一度に起こったとすれば、超本震の
マグニチュードは最高でM9.4と考えることも出来ます。

先の菅総理の記者会見で、
中部電力の浜岡原発について、即時の停止要請がされたました。
これを国民の信頼を取り戻すためのパフォーマンスと揶揄するメディアもあるようですが、
もう、福島原発事故の二の舞は絶対に許されません。
私は、これは菅総理の大英断であると思います。
根回しが無いとか、不器用だとか言ってる場合じゃないのですよ

では、また。

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