海水温変化による震源域想定の検証と次の震源域について(その72)

このシリーズも 第72回目を迎えました。
(一昨年末から毎週末、1年半続いており、M4以上で1週間検証し 平均対応率は8割程です)
解説:[海水温度分布の平年差]の2週間の変化について、画像処理ソフトで差分を取り、
    次の震源域を想定します。(14日間の至近3日平均からその前11日平均を差し引く演算です)
    これまでの実績からは、温度変化の境界付近で温度低下側に震源が符合しております。
    また、実績から、温度変化の大きな海域も想定域としております。
  ★この演算には、以下の理由から海上保安庁のデータを使用しております。
   ・図中に数字や境界線が入らないので、演算の邪魔にならないこと。
   ・瀬戸内海も表示できるので、より綿密な解析が出来ること。
   ・当日分まで反映されていること。 等々

以下は、先々週4/28にご紹介した震源域想定に、その後1週間の実績をプロットしたものです。
水温20130428WA
この間 M4超の地震は16回、内13回が想定範囲内でした。対応率81%
外れた3回には、内陸と外洋性の震源で温度変化の見極めが難しい場所でした。
そして、次の震源域の想定は、以下の通りです。
◆今回から、震源域の想定を 幅50kmの線 で表現することにしました。
 表現を変えた理由は、以下の2点から、より高精度の予測を目指すものです。
 ・バックテストの結果、ほぼ対応率8割を維持出来そうなこと。
 ・慣れるまでは見づらいかも知れませんが、震源域をかなり限定できること。

水温20130505W
◆今週の強震度想定域は、
 34週目となった三陸沖アウターライズは南下して元位置に戻りました。

 (ここは数カ月の前兆の後、昨年12/7にM7超が発生。次はM8超が危惧されます)
 9週目の豊後~淡路~紀伊は山陰と南海に分離して拡大方向。
  また、東日本沿岸は宮城・福島沖に南下して拡大方向。

 2週目の日本海域・九州全土・東シナ海は、ほぼ勢力維持。
 5週振りに北海道内陸を含む南東部の広範囲に強震度想定域が出現。
 能登半島~佐渡の強震度想定域は消滅しております。
解説:強震度想定域とは、
   海水温が急激に上昇した範囲で、過去の実績からM5超発震の可能性がある事を意味します。
   (橙線M4、赤線M5超を示唆)

では、また何か変化があれば、お知らせ致します。バイバイ