海水温変化による震源域想定の検証と次の震源域について(その86)
このシリーズも 第86回目となりました。
(シリーズ化からは約1年半以上続いており、M4超で1週間検証し 平均対応率は8割程です)
◆実は過去記事を検索すると、2011/8/17「新発見か?「海面水温」平年差の分布と震源地の関係」
の中で、既に海水温の2週間差分に着目しており、この解析は、もうすぐ2年近くに成ります。
解説:[海水温度分布★の平年差]の2週間の変化について、画像処理ソフトで差分を取り、
次の震源域を想定します。(14日間の至近3日平均からその前11日平均を差し引く演算です)
これまでの実績からは、温度変化の境界付近で温度低下側に震源が符合しております。
また、実績から、温度変化の大きな海域も想定域としております。
★この演算には、以下の理由から海上保安庁のデータを使用しております。
・図中に数字や境界線が入らないので、演算の邪魔にならないこと。
・瀬戸内海も表示できるので、より綿密な解析が出来ること。
・当日分まで反映されていること。 等々
以下は、先週8/4にご紹介した震源域想定に、その後1週間の実績をプロットしたものです。
この間 M4超の地震は20回、うち11回が想定範囲内でした。対応率55%
外れた9回は、想定域より更に高温または低温側、或いは変化の無かった海域での発震でした。
◆M4超の8割が東日本沿岸に集中しました。
そして、次の震源域の想定は、以下の通りです。
(今週は、一昨日バヌアツ対応のため8/9にご紹介の解析図を使わせて頂きます)
◆先週から再び一転、太平洋の海水温が上昇しております。
既に7週間も、非常に変化の激しい状態が続いております。
これは解析を始めてから約2年の中でも特筆すべき異常事態だと考えます。
やはり「巨大地震の前兆を捉えている可能性」が否定できません。
引き続き、注意深く観察を続けたいと思います。
◆想定範囲を南西諸島まで拡大。西は西表島、南は南硫黄島まで
◆今週の強震度想定域は、
12週目の小笠原海域は、はるか東方沖に移動して縮小方向。
7週目の北海道は、内陸も含み更に若干縮小。
4週目の三陸アウターは、北海道~茨城沖ではるか東方に移動。
(ここは数ヶ月の前兆の後、昨年12/7にM7超が発生。次はM8超が危惧されている震源域です)
4週目の東日本沿岸は岩手~房総沖で、若干拡大。
3週目の朝鮮半島~大陸側は、縮小方向。
2週目の首都圏直下は、縮小して継続。
◆房総沖三重合点、北越・中部の強震度想定域は消滅しております。
◆太平洋南方の広範囲な高温域は、東側半分が4日前から再び海水温が上昇。
(その他の範囲は、高温を保ったまま温度変化が無いため、黒くなっております)
三陸アウター・東日本域の強震度想定域消滅→復活は、何らかの大きな変化を捉えている可能性あり。
また、過去の実績から、急激な温度変化のあった海域では、低温側で発震の可能性が高まります。
◆バヌアツ対応期間8/10~16は、引き続き「強震度想定域」での発震にご注意ください。
解説:強震度想定域とは、
海水温が急激に上昇した範囲で、過去の実績からM5超発震の可能性がある事を意味します。
(橙線M4、赤線M5超を示唆)
では、また何か変化があれば、お知らせ致します。