海水温変化による震源域想定の検証と次の震源域について(その88)
このシリーズも 第88回目となりました。
(シリーズ化からは約1年半以上続いており、M4超で1週間検証し 平均対応率は8割程です)
◆実は過去記事を検索すると、2011/8/17「新発見か?「海面水温」平年差の分布と震源地の関係」
の中で、既に海水温の2週間差分に着目しており、この解析は、もう2年を過ぎました。
解説:[海水温度分布★の平年差]の2週間の変化について、画像処理ソフトで差分を取り、
次の震源域を想定します。(14日間の至近3日平均からその前11日平均を差し引く演算です)
これまでの実績からは、温度変化の境界付近で温度低下側に震源が符合しております。
また、実績から、温度変化の大きな海域も想定域としております。
★この演算には、以下の理由から海上保安庁のデータを使用しております。
・図中に数字や境界線が入らないので、演算の邪魔にならないこと。
・瀬戸内海も表示できるので、より綿密な解析が出来ること。
・当日分まで反映されていること。 等々
以下は、先週8/18にご紹介した震源域想定に、その後1週間の実績をプロットしたものです。
この間 M4超の地震は9回、うち8回が想定範囲内でした。対応率89%
外れた1回は、想定域より更に高温または低温側、或いは変化の無かった海域での発震でした。
◆M4超の7割が東日本沿岸に集中しました。
そして、次の震源域の想定は、以下の通りです。
◆8週間続く海水温の上昇は、日本海にも広がり日本周囲ほぼ全域に達っしております。
至近8週間も非常に変化の激しい状態でしたが、現在は高温のまま平衡状態です。
これは解析を始めてから約2年の中でも特筆すべき異常事態だと考えます。
やはり「巨大地震の前兆を捉えている可能性」が否定できません。
引き続き、注意深く観察を続けたいと思います。
◆想定範囲を南西諸島まで拡大。西は西表島、南は南硫黄島まで
◆今週の強震度想定域は、ご覧の様に大幅に縮小しております。
9週目の北海道は、北部と東部のみに大幅縮小。
5週目の朝鮮半島~大陸側は、朝鮮半島を残し大幅に縮小。
◆12週続いた小笠原、4週続いた三陸アウター、5週続いた東日本沿岸、2週続いた首都圏直下
の強震度想定域は消滅しております。
◆太平洋南方の広範囲な高温域は、東側半分が3日前から再び海水温が上昇。
(その他の範囲は、高温を保ったまま温度変化が無いため、黒くなっております)
三陸アウター・東日本域の強震度想定域消滅⇔復活は、何らかの大きな変化を捉えている可能性あり。
また、過去の実績から、急激な温度変化のあった海域では、低温側で発震の可能性が高まります。
◆ニュージーランド対応期間8/17~26は、引き続き「強震度想定域」での発震にご注意ください。
解説:強震度想定域とは、
海水温が急激に上昇した範囲で、過去の実績からM5超発震の可能性がある事を意味します。
(橙線M4、赤線M5超を示唆)
では、また何か変化があれば、お知らせ致します。