【試算2】ニュージーランドのGR則によるM7.5発生時期について

◆8/16 11:31JST発生のニュージーランドM6.5の余震データ(11時間/N=160)にて、
 宇津則から導かれた本震規模M7についてGR則から発生時期を数日内とご紹介しました。
 (GR:Gutenberg?Richter law)
短期間のデータから、次の本震を仮定した想定には、当然に誤差が含まれる事として
 ご紹介致しましたが、その後ニュージーランドGEONETより昨日8/17までの余震データ
 (36時間/N=474)を入手しましたので、再度の試算を致しました。

◆当初から頻度こそ低下しましたが、まだM4級の余震は続いており、なお予断を許さない状況
 と考えます。
 (今回の想定は相当に十分なデータ数が揃っており、ある程度の精度が期待出来ます)
現在までの震源域を次の本震の断層面として「宇津則」からM7.5と想定しました。
USGS299GR1b.jpg
◆以下、地震の時系列とGR則のプロットです。
USGS299GR2b.jpg
今回の試算
 時系列のグラフから、M7.5の発生時期として、約2週間以内と出ました。
 当初ほどではありませんが、依然として高い逼迫度であると考えます。

 累積確率50%が8/27 14時頃、確率98%が8/30 16時頃
までにある事になります。

これ以降、状況に変化があれば、再度検討したいと思います。
(注)これは最悪ケースを想定した試算であり、このまま鎮静化の可能性も十分にあります。
願わくば、この計算が外れる事を祈ります。

海水温変化による震源域想定の検証と次の震源域について(その87)

このシリーズも 第87回目となりました。
(シリーズ化からは約1年半以上続いており、M4超で1週間検証し 平均対応率は8割程です)
◆実は過去記事を検索すると、2011/8/17「新発見か?「海面水温」平年差の分布と震源地の関係
 の中で、既に海水温の2週間差分に着目しており、この解析は、もうすぐ2年近くに成ります。
解説:[海水温度分布の平年差]の2週間の変化について、画像処理ソフトで差分を取り、
    次の震源域を想定します。(14日間の至近3日平均からその前11日平均を差し引く演算です)
    これまでの実績からは、温度変化の境界付近で温度低下側に震源が符合しております。
    また、実績から、温度変化の大きな海域も想定域としております。
  ★この演算には、以下の理由から海上保安庁のデータを使用しております。
   ・図中に数字や境界線が入らないので、演算の邪魔にならないこと。
   ・瀬戸内海も表示できるので、より綿密な解析が出来ること。
   ・当日分まで反映されていること。 等々

以下は、先週8/11にご紹介した震源域想定に、その後1週間の実績をプロットしたものです。
水温20130809WA
この間 M4超の地震は19回、うち18回が想定範囲内でした。対応率95%
外れた1回は、想定域より更に高温または低温側、或いは変化の無かった海域での発震でした。
◆M4超の9割が東日本沿岸に集中しました。
そして、次の震源域の想定は、以下の通りです。
◆先週から、更に太平洋の海水温が上昇しております。
 既に8週間も、非常に変化の激しい状態が続いております。
 これは解析を始めてから約2年の中でも特筆すべき異常事態だと考えます。
 やはり「巨大地震の前兆を捉えている可能性」が否定できません。
 引き続き、注意深く観察を続けたいと思います。

想定範囲を南西諸島まで拡大。西は西表島、南は南硫黄島まで
水温20130818W
◆今週の強震度想定域は、ご覧の様に大幅に縮小しております。
  
8週目の北海道は、内陸も含み南方沖は消え若干縮小。
  5週目の東日本沿岸は宮城~福島のみで、大幅に縮小。

  4週目の朝鮮半島~大陸側は、ロシアを残し大幅に縮小。
◆12週続いた小笠原、4週続いた三陸アウター、首都圏直下の強震度想定域は消滅しております。
太平洋南方の広範囲な高温域は、東側半分が3日前から再び海水温が上昇。
 (その他の範囲は、高温を保ったまま温度変化が無いため、黒くなっております)
 三陸アウター・東日本域の強震度想定域消滅⇔復活は、何らかの大きな変化を捉えている可能性あり。
 また、過去の実績から、急激な温度変化のあった海域では、低温側で発震の可能性が高まります。
ニュージーランド対応期間8/17~26は、引き続き「強震度想定域」での発震にご注意ください。
解説:強震度想定域とは、
   海水温が急激に上昇した範囲で、過去の実績からM5超発震の可能性がある事を意味します。
   (橙線M4、赤線M5超を示唆)

では、また何か変化があれば、お知らせ致します。バイバイ