東南海沖震源想定域での地震空白域について
毎度のお付き合いをありがとうございます。
昨日、読者の方から、
「東南海沖震源想定域で、至近30日の地震発生状況を見ると、どうも少ないように感じる」
とのご質問を戴きました。
そこで、Hi-net自動処理震源マップを確認すると、ご覧のように確かに、空白域があるように見えます。
色々と思案した末、震災前と現在を、それぞれ3ヶ月間の地震データで比較する事にしました。
データ諸元は「気象庁一元化処理震源リスト」から「M0.1以上」の地震を抽出したものを使いました。
(それでも、両データを合わせると8万プロット以上の膨大なデータ量でした)
結果は以下の通りで、上が震災前3ヶ月、下が至近3ヶ月です。
では、ここで数字を比較してみます。
・震災前3ヶ月は、国内の地震が32.252回あり、内1397回が東南海沖震源想定域での発生。
・至近の3ヶ月は、国内の地震が48,275回あり、内917回が東南海沖震源想定域での発生でした。
つまり、現在国内で発生している地震は、震災前の約1.5倍に増えているのに、
この想定域では、逆に 約1/1.5に減っている事が判明したのです。
更に地震発生回数全体で考えると (1/1.5)^2=44% にまで減っている事になります。
◆これは、意外な展開になって来ました。
そして、黄色の点線で囲んだ部分を、もう一度ご覧ください。
ここは、震災前にM2.5以上の地震があった範囲を 大凡かこったところですが、
至近3ヶ月のプロットと比較すると、明らかに地震が減っているのが良く判ると思います。
◆そうなんです、読者の指摘していた「空白域」は、データからも事実だったのです。
また、嫌なデータが見つかってしまいました。
それから、
以前からお知らせしている、当該海域でのJMA地震波形「東海1」での異常波形については、
現在、気象庁に原因を照会中ですので、もうしばらくお待ちください。
今回 ご質問を戴いた読者には、この場を借りて、お礼を申し上げます。< (_ _)>
私のブログは、
この様な形で、読者からの疑問が大きなヒントとなり、これまで育てて戴いたようなものです。
どうぞお気軽に、素朴な疑問でもお寄せ下さい。それが糧となり、このブログは成長を続けます。
では、また何か変化があれば、お知らせ致します。